派遣先で怪我をした場合

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派遣先で怪我をした場合

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派遣先で怪我をした場合

労働者派遣事業に係る労災保険は、派遣元にその災害補償を負わせ、派遣先には専ら安全管理責任を負わせる形態をとっています。

このため派遣先において、たとえば作業施設の不備、機械器具の欠陥・整備不良等で怪我等の労災事故が発生した場合には、被災労働者である派遣労働者は、派遣元の協力を得て労災保険の補償給付を請求し、場合によっては派遣先には安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任を請求することになります。

派遣先で発生した事故は、理論上は労災法12条の4に規定する「第三者行為災害」に相当します。

これがほかならぬ、労働者派遣事業における労災保険が持つ二元的管理の所以です。

「第三者行為災害」とは、労災保険の保険者である政府、保険加入者である事業主(労働者派遣の場合は派遣元)、被災労働者である派遣労働者およびその遺族以外の者、つまり派遣先の行為(安全配慮義務不履行)によって発生した災害のことをいいます。

派遣先は、安衛則96条で定める事故が発生した場合は、事故の軽重にかかわらず遅滞なく事故報告書を所轄の労基署長に提出しなければなります。

と同時に、派遣先は速やかにその状況を派遣元に報告しなければなりません。

さらに、派遣中の労働者が労働災害により死亡または4日以上の休業を要する負傷をしたときは、派遣先は「労働者死傷病報告」を所轄の労基署長に届け出るとともに、派遣元に死傷病報告の写しを送らなければなりません(則42条)。

派遣元はそれに基づき自らを所轄する労基署長に労働者死傷病報告を提出をしなければなりません(安衛則97条)。

つまり、「労働者死傷病報告」は派遣元、派遣先の双方において届け出なければなりません(法45条15項)。

派遣先の中には、軽い事故と判断して意図的に報告をしなかったり、報告を失念したりすることのほか、労基署により安全管理体制の不備を指摘されたり、派遣労働を偽装請負と装っていることの発覚をおそれたりして、故意に報告義務違反を犯すことがしばしば行われています。

これらは労災事故隠しといわれるものだが、このような場合は派遣先の事業主のみが報告義務違反を問われることになります。

労災保険給付の手続きについて派遣元の協力が得られなかったり、あるいは派遣元が労災保険料を納めていなかった場合には、派遣労働者は直接、労基署に申請書を提出することができます。

労基署はこの申請を受けて、そのケガや病気が労働災害に当たるかどうかを判断します。


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