派遣元の就業規則が適用
常時10人以上の労働者を使用する使用者には、事業場内での労働時間、賃金等の労働条件を画一的に明確化し、企業の親行保持を図るため就業規則を作成し、労基署への届出が義務付けられています(労基法89条)。
労働者派遣では、労働者が雇用契約を締結する相手は、使用者としての派遣元です。
よって、派遣中の労働者とそれ以外の労働者とを合わせて、常時10人以上の労働者を使用する派遣元の事業主は、就業規則の作成および届出の義務を負うことになります。
次に、労働契約法12条では、「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とします。
この場合、無効となった部分は、就業規則で定める基準による」と定めているが、労働者派遣においては、この規定の取扱いは次のようになります。
ここでいう基準に達しない労働条件を定める労働契約とは、派遣元が派遣労働者に交付した「就業条件の明示書」および派遣元と派遣労働者間で取り交わした「労働契約」を指すことになります。
したがって、派遣契約、就業条件の明示および労働契約のいずれもが、就業規則の内容を上回るものでなければなりません。
一方、派遣労働者は、実態は派遣先の業務に就業しているのに就業していない派遣元の就業規則に従うのです。
派遣元が定めた就業規則が画一的に適用されることば、同一の派遣元から複数の派遣先へ多数の労働者が派遣される場合などは現実的に不貝合の発生も想定されます。
このため厚生労働省は、「派遣中の労働者について画一的な労務管理を行わない事項については、就業規則にその枠組みおよび貝体的な労働条件の定め方を規定すれば足りる」とし、定め方は就業規則の労働条件明確化の観点から、「雇人通知書等文書による方法が望ましい」と通達(昭61.6.6基発333号)を出し、労働者派遣の矛盾点を是正しています。
就業規則とは、労働者が就業に際し、職場において業務上遵守すべき規律および労働条件の細目を使用者(労働者派遣にあっては、派遣元の事業主)が定めた服務規律をいいます。
常時10人以上の労働者(雇用形態は問わず、派遣中の労働者数を含む)を使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄労基署長に届け出なければなりません。
就業規則の作成および変更に当たっては過半数労働者を代表する者の意見を聴かなければなりません。
常時10人夫満の労働者を使用する使用者が就業規則を作成したときは、その法的効力は10人以上の使用者が作成した就業規則と何ら変わるところはありません。
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