派遣先労働者と派遣スタッフの待遇
派遣スタッフは、派遣先で正規雇用されている同じ仕事に従事している労働者と比較し、賃金等の就業条件が低いと批判されています。
そこで、平成24年10月の法改正により、派遣スタッフについて、派遣先の同種の労働者と、次のとおり、「貸金」「教育訓練・福利厚生」の二点について、労働条件の均衡に配慮するよう義務付けられました(派遣法第30条の2)。
この場合の賃金とは、労働基準法の定める賃金の範囲(名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの)とされています。
なお、派遣先の同種の業務に従事する者が、派遣スタッフより低い賃金であったとしても、この均衡待遇の規定を理由として派遣スタッフの貸金を従前よりも引き下げるべきかについて、改正派遣元指針では、このような取り扱いは、法律の趣旨を踏まえた対応ではないとしていますから、これを理由に派遣スタッフの賃金を引き下げることはできません。
@賃金
派遣元は、派遣スタッフの従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者と賃金水準の均衡を考慮し、派遣スタッフの賃金を決定するように配慮しなければならないこととされました(派遣法第30条の2第1項)。
このとき、派遣先の同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力もしくは経験等を勘案すべきとされています。
A教育訓練・福利厚生
派遣元は、派遣スタッフの従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮しながら、その派遣スタッフについて、教育訓練、福利厚生の実施、その他の派遣労働者の円滑な派遣就業の確保のために必要な措置(福利厚生施設の利用、職場内研修の参加など)を講ずるように配慮しなければならないことになりました(派遣法第30条の2第2項)。
「賃金」「教育訓練・福利厚生」の均衡待遇のほか、派遣元は、その雇用する派遣スタッフ等について、希望、能力および経験に応じた就業および教育訓練の機会の確保等必要な措置を講じ、これらの者の福祉の増進を図るように努めなければならないことになりました(派遣法第30条の3)。
派遣元は、派遣スタッフとして雇用しようとする労働者に対し、派遣スタッフとして雇用した場合に次の事項を説明しなければならないことになりました(派遣法第31条の2、派遣則第Nひ条の2)。
@賃金の額の見込み、その他待遇に関する事項
A事業運営に関する事項
B労働者派遣に関する制度の概要
派遣元が、派遣先の同種の労働者の賃金との均衡に考慮して派遣スタッフの賃金を決定するには、派遣先の賃金の状況を知らなければなりません。
そこで、このような措置が適切に講じられるようにするため、派遣先は、派遣元の求めに応じ、派遣スタッフが従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者に関する情報を提供する等必要な協力をするように努めるものとされました(派遣法第40条3項)。
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