派遣労働者の登録と個人情報
平成17年4月1日の個人情報保護法の完全施行により、あらゆる企業における個人情報の取り扱いのルールが整備されました。
特に人材派遣では、派遣スタッフの登録あるいは就業において、個人情報に係わることが非常に多いため、以前から派遣法とその指針により取り扱い上の注意がなされてきましたが、個人情報保護法の施行により両法が補完して具体的な取り扱いのルールを強化する形となりました。
つまり、派遣元の事業主が個人情報保護法の適用される「個人情報取扱事業者」に該当する場合はその法定の義務を遵守することはもちろん、たとえ該当しない場合でも適正な取り扱いの確保に努めることとされています(派遣元指針第2の10(3))。
個人情報については、収集・使用・保管がその目的の範囲に限られます(派遣法第24条の3第1項)。
つまり、収集できる情報は、氏名、現住所、電話番号などの基本情報や、希望職種、職務経験、持っている資格・技術などの仕事に関係があるものなどです。
仕事と無関係な、本籍地や家族の職業、スリーサイズなどのプライバシー情報を収集してはいけません(派遣元指針第2の10(1))。
ただし、禁止項目に当てはまるものでも、仕事上特別に必要で、その目的を説明して本人から収集する場合は、例外として認められることがあります。
なお、派遣元が派遣先に提供できる個人情報は、氏名・性別・社会保険などの加入の有無など(派遣法第35条)のほか、業務遂行能力に関する情報に限られています(派遣元指針第2の10(1))。
個人情報保護法では、原則として本人の同意を得ずに個人情報を第三一者に提供してはならないとし、その例外として「法令に基づく場合」としています。
そのため、法令で定められた氏名等の事項を派遣先に提供することは適法ですが、派遣が確定していないスタッフの履歴書を見せたり、一般的に派遣では必要のない個人情報まで派遣先へ提供する場合は、本人の同意を得なければならないことになります。
派遣元事業主は、個人情報を適正に管理するための措置を講じなければなりません(派遣法第24条の3第2項)。
具体的には、指針により図表のように定められています(派遣元指針第2の10(2))。
なお、個人情報管理規程には図表にある事項を含まなければなりません。
派遣元、スタッフその他の使用人は、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはなりません(派遣法第24条の4)。
この秘密とは、派遣スタッフおよび派遣先に関する個人情報をいいます。
<収集を禁止されている個人情報>
@人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となる恐れのある事項
A思想および信条
B労働組合への加入状況
<個人情報を適正に管理するために講じなければならない措置>
1)個人情報の保管・使用に関する次の措置
@個人情報を正確かつ最新のものに保つための措置
A個人情報の紛失、破壊および改ざんを防止するための措置
B正当な権限を持つ者以外、個人情報ヘアクセスできないようにする措置
C不必要になった個人情報を破棄または削除するための措置
2)派遣スタッフなどの個人情報の厳重管理
3)個人情報適正管理規程の作成
4)個人情報の取り扱いに関する苦情の処理
<個人情報管理規程に規程しなければならない事項>
@個人情報を取り扱うことができる者の範囲
A個人情報を取り扱う者に対する研修等教育訓練
B本人から求められた場合の個人情報の開示または訂正、削除
C個人情報の取り扱いに関する苦情の処理(苦情処理担当者を定める)
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