禁止されているグループ派遣
特定の企業への派遣を目的とする「専ら派遣」は禁止されています。
しかし、判断基準が曖昧であるという批判から、平成24年10月の法改正により、専ら派遣に加えて、明確な基準で規制されることになりました。
改正では、グループ企業などの関係派遣先に労働者を派遣するときは、その派遣の割合を80%以下とすることが義務付けられました(派遣法第23条の2)。
これは、専ら派遣を目的としていなくても、事業年度単位で、グループ企業に対し8割を超えて派遣することを禁止するもので、派遣割合、グループ企業などの関係派遣先についても明確に定義されました。
まず、規制の対象となるグループ企業などの関係派遣先とは、派遣元の親会社やその傘下となる子会社が対象です(派遣則第18条の3第1項〜3項)。
@連結決算を導入している場合
・派遣元の親会社
・派遣元の親会社の連結子会社(親子関係は連結決算の範囲により判断する)
A連結決算を導入していない場合
・派遣元の親会社(派遣元の議決権の過半数を所有している者、資本金の過半数を出資している者、およびこれらと同等以上の支配力を有している者)
・派遣元の親会社の子会社(派遣元の親会社が議決権の過半数を所有している者、資本金の過半数を出資している者、およびこれらと同等以上の支配力を有している者)
次に、派遣割合の算定方法は、1つの事業年度における派遣就業の労働時間から次のように求めます。
派遣割合=関係派遣先に対する派遣就業の総労働時間(60歳以上の定年退職者を除く)÷すべての派遣就業の総労働時間
※%表記で小数点以下一位未満の端数があるときは、これを切り捨て
派遣元は事業年度終了後3か月以内にこの関係派遣先への派遣割合を厚生労働大臣に報告しなければならなくなりました(派遣則17条)。
厚生労働大臣は関係派遣先への派遣割合規制や報告義務に違反した派遣元に対し、指導または助言をした場合において、なお違反したときは必要な措置をとるよう指示することができることになっています(派遣法第48条3項)。
専ら派遣の禁止が、そもそも派遣事業の許可要件に反することから速やかな是正が求められるのに対し、8割規制については、たまたまその事業年度に8割を超えてしまった場合に配慮し行政処分の流れが異なります。
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