社内の不倫で解雇
<事例>
太郎さんは妻子もちですが、1年ほど前から同じ部署の花子さんと関係をもつようになり、たちまち社内の噂になったため、社長が知ることとなりました。
会社はこうした関係を改めるよう太郎さんと花子さんに注意を促しましたが、両人は恋愛は自由だといい、拒絶しました。
社長は、就業規則に規定された「職場の風紀・秩序を乱した場合」に該当するとして両人を解雇しました。 |
本件の場合、太郎さんと花子さんの不倫によって、会社に悪影響を及ぼしたことを、具体的かつ客観的に会社が証明できなければ、懲戒としての両人の解雇は無効になると考えられます。
会社の就業規則などには、社員に不始末があった場合のために訓告、謹慎、減給、降格、普通解雇、懲戒解雇といった懲戒処分が定められています。
不始末とは勤務怠慢、故意または重大な過失で会社の損害を与えるようなことを指し、業務に関して不始末があった場合に限るです。
業務に関係のない恋愛や不倫など私生活上の行為については、会社は懲戒処分を行うことはできないのですが、会社の業務に支障をきたす場合には別です。
判例では、「かならずしも具体的な業務阻害の結果や取引上不利益発生を必要とするものではないが、会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に認められる場合」には、懲戒処分が有効であるとしています。
社員の不倫が現実に悪い影響を与えていなくても、「明らかにこれから悪影響を及ぼすことになるだろうと」と誰もが認められるようであれば、懲戒処分を行ってもよいとされるのです。
本件の場合、会社に悪影響が及ぼされたことを具体的かつ客観的に会社が証明できなければ、太郎さんと花子さんの解雇は無効になると考えられます。
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