育児休業で整理解雇
<事例>
会社は全社的なリストラを行っているのですが、まだ余剰人員が生じていました。
そこで、育児休業中の花子さんを復職させずに解雇することとしたのです。
花子さんは、育児休業をとっているという理由で解雇するのは育児介護休業法違反で無効であると主張しました。 |
本件の場合の解雇の直接の理由は「整理解雇の必要性があった」ということですが、育児休業をとっている社員を選んだことは、育児休業を取得したことを理由とする解雇と同じですから、解雇は無効になると考えられます。
育児介護休業法では、会社は社員が育児休業または介護休業を申し出たり取得したことを理由として解雇することを禁止しており、これに違反して行なった解雇は無効となるのです。
しかし、本件の場合、会社には整理解雇の必要性があったという事情があり、整理解雇は、企業の経営状況などの理由により人員削減の必要性に迫られて行うものであり、一定の場合に有効な解雇として認められます。
整理解雇の対象者を選ぶにあたっては、次のことが求められています。
@整理の基準が合理的なこと
A基準の適用も公正であること |
本件では、会社はこの選定基準として、業務能力がほかの社員に比べて低いことが明らかであるとしました。
これ自体は合理性が認められますが、これは育児休業ととっているためで、これが認められると社員は育児休業を取れなくなります。
会社は解雇の直接の理由を「整理解雇の必要性があった」としたのですが、その対象を育児休業中の社員を選定したことは、結局「育児休業を取得した」ことを理由とすることと実質的に変わらないと認められますから、どうしても解雇は無効と考えられるのです。
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