解雇裁判中の賃金の請求

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解雇裁判中の賃金の請求

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解雇裁判中の賃金の請求

<事例>

太郎さんは、勤務成績が振るわないという理由で解雇にする、と会社から通告されました。

太郎さんは解雇無効を主張し、裁判で争い、2年後解雇は無効という判決が下り、会社に復帰しました。

太郎さんは、解雇として出勤を認められなかった2年間の賃金を遡って支払うように会社に請求しました。

しかし、会社は支払うが、その期間中にアルバイトをして給料をもらっていた額は控除する旨を主張しました。

太郎さんの解雇期間中のアルバイト収入は、その期間中の賃金額から控除され、差額が支払われることになります。

解雇の有効性をめぐる裁判に勝ち、会社に戻ることになると、その社員は解雇とされていた期間中の賃金を遡って請求することができます

この賃金には、基本給のほか住宅手当、資格手当などの諸手当も含まれます。

通勤手当や時間外手当など、実際に労働しなかったために不要であった手当は含まれません。

実際には、解雇の有効性を争い、再び賃金の支払を受けられるようになるまでに時間がかかりますから、係争中の収入はアルバイトなどの形で得ることも多く、これにより得た収入は、民法536条2項の規定により、あとで支払を受ける賃金から控除されることになります。

(債務者の危険負担等)
民法第536条 前2条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。


しかし、太郎さんが解雇扱いになっていた期間は、あとで雇用関係の存続が認められたわけですから、「使用者の責めに帰すべき事由による休業期間」として扱われ、会社の責任で休業させたとき、会社は社員に平均賃金の6割以上を支払わなければならないのです。

ですので、賃金とアルバイト代との差額が平均賃金の6割に満たないときは、平均賃金の6割が、太郎さんに支払われる金額になるのです。

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