通勤災害の労災の判例
<判例>
Xは、勤務終了後、義父宅で介護を行った後、自宅へ向かう途中で交通事故に遭い傷害を負った。
Xはこれを通勤途中の交通事故であるとして労災保険法上の休業給付の支給を請求したが、労働基準監督署長が不支給処分を行ったため、同処分の取消を求めて国(Y)に対して訴えを提起した。
Xの請求を許容した原判決に対し、Yが控訴した。
Xが事故に遭うまでの移動は、労災法7条2項にいう「就業に関し」の要件を満たす。
一方、Xが義父宅を訪れて介護を行った行為は、労災保険法7条3項のいう「逸脱」に当る。
本件の事実関係によれば義父は日常生活全般について介護が不可欠な状態にあったこと、その介護を行える親族が他にいなかったために、Xが週4日間程度介護を行い、Xの妻もほぼ毎日父親の世話をしてきたこと等の事情に照らすと、Xの義父に対する介護は「「労働者本人またはその家族の衣、職、保健、衛生など家庭生活を営むうえでの必要な行為」というべきであるから、労災保険規則8条1号の「日用品の購入その他これに準ずる行為」に当り」、Xの上記逸脱は、労災法7条3項但書に該当する。
そして、Xが本件事故に遭遇したのは、Xが合理的な通勤経路に復した後であったから、本件事故は、「通勤」(労災7条1項2号)途上の災害に当る。
(国・羽曳野労基署長(通勤災害)事件 大阪高判平成19・4・18 労判937)
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