営業譲渡の解雇の判例
<判例>
Aは森林浴発生器等の製造・販売等を業とする会社(従業員30名)であり、Xは大阪支店で勤務していた。
Aは3月の役員会で会社解散を決議し、Y会社との間で主要資産のほとんどを売却した。
それに伴い、Aは平成9年6月20日にXを解雇(第一解雇)し、同解雇につき裁判所で地位保全仮処分が命じられると、同年9月30日に解散決議して、同年11月28日付でXを解雇(第二解雇)した。
Yは、解散時にAに在籍していた従業員全員を雇用したが、採用後に退職した者などがいる。
Xはこれら解雇の効力を争って、Yに対して地位確認等の請求に及んだ。
「右事実によれば、AとYとの間では、営業譲渡という契約形態こそとられていないが、Aの資産売却に当っては、それらの資産を使用してYが森林浴製品の製造販売事業を継続して行うことが予定されていたことは明らかであって、それに必要なほとんどの資産が売却されており、右事業の側からみると、その一体性を損なうことなくAからYへ譲渡されたものであって、単にその経営主体が訴外会社からYに代わったにすぎないというべきである。
そうすると、Aの資産売却がなされた頃、AからYへ営業譲渡がなされたものと認めるのが相当である」。
「そして、YがAに在籍した従業員全員を雇用していることからすると、譲渡の対象となる営業にはこれら従業員との雇用契約をも含むものとして営業譲渡がなされたことを推認することができる」。
「前記のとおり、AがXに対してして本件各解雇はいずれも無効であり、右営業譲渡がなされた当時、XはなおAに在籍したものと扱われるべきであるから、右営業譲渡によって、XとAとの間の雇用契約もYに承継されたものと解される」。
(タジマヤ事件 大阪地判平成11・12・8 労判777)
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