勤務時間中の規律秩序の判例
<判例>
Y公社のA電報電話局に勤務する職員Xは、「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と書かれたプレートを着用して勤務したところ、上司からそれを取り外すようにと再三注意を受けた。
そこでXは、この命令に抗議するビラ数十枚を、休憩時間中に職場内の休憩室と食道で配布した。
Yは、Xのビラ配り配布が、就業規則の「職員が職場内で演説やビラ配布等を行う場合には事前に管理責任者の許可を受けなければならない」との規定に違反し、懲戒事由に該当するとして、Xを戒告処分に付した。
「Xの勤務時間中における本件プレート着用行為は、・・・職場の同僚に対する訴えかけという性質をもち、それ自体、公社職員としての職務の遂行に直接関係のない行動を勤務時間中に行ったものであって、身体活動の面だけからみれば作業の遂行に特段の支障が生じなかったとしても、精神的活動の面からみれば注意力のすべてが職務の遂行に向けられなかったものと解されるから、職務上の注意力のすべてを職務遂行のために用い職務にのみ・・・専念すべき局所内の規律秩序を乱すものであったといわなければならない」。
「休憩時間の自由利用といってもそれは時間を自由に利用することが認められたものにすぎず、その時間の自由な利用が企業施設内において行われる場合には、使用者の企業施設に対する管理権の合理的な行使として是認される範囲内の適法な規制による制約を免れることはできない。
また、従業員は労働契約上企業秩序を維持するための規律に従うべき義務があり、休憩中は労務提供とそれに直接付随する職場規律に基づく制約は受けないが、右以外の企業秩序維持の要請に基づく規律による制約は免れない」。
(電電公社目黒電報電話局事件 最三小判昭和52・12・13 民集31巻7号)
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