採用内定中の研修参加義務
在学期間中に採用内定を出した学生に対して、内定先企業から就労開始時期までに様々な課題や研修への参加を課せられることがあります。
企業から命じられた研修に、内定者が参加する義務があるかについて、宣伝会議事件(東京地判平成17・1・28 労判890)は、博士課程在学中の大学院生が、内定先企業から課題や入社前研修の参加によって博士論文の作成に困難をきたし、いくつかの研修に参加しなかったところ、研修が遅れているとして、試用期間を延長するか、中途採用試験の再受験かの選択を求められ、いずれも拒否したことから内定を取消されたという事案である。
裁判所は、「本来は入社後に業務として行われるべき入社日前の研修等を業務命令として命ずる根拠はないというべきであり・・・使用者からの要請に対する内定者の任意の同意に基づいて実施されるもの」と判断し、違法な内定取消に対する損害賠償を認めた。
現役学生の生活本拠はあくまでも学業であり、使用者はこれを尊重した上で学業等を阻害しないように配慮するのは当然のことであり、裁判所の結論は妥当であるとされています。
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