高年齢者の再雇用の判例
<判例>
就業規則で、再雇用に関し、一定の基準を満たす者については「再雇用する」と明記され、期間は1年毎ではあるが同じ基準により反復更新するとされ、その後締結された本協定でも、就業規則の内容が踏襲されている。
そして、現に原告は上記再雇用の基準を満たす者として再雇用されていたのであるから、64歳に達するまで雇用が継続されるとの合理的期待があったものということができる。
本件再雇用契約の実質は、期間の定めのない雇用契約に類似するものであって、このような雇用契約を使用者が有効に終了させるためには、解雇事由に該当することのほかに、それが解雇権濫用法理の類推適用があるとするのが相当である。
(エフプロダクト事件 京都地判 平22・11・26 労判1022) |
被控訴人は、継続雇用の有無という重大な判断をする査定は絶対評価であるべきであるとも主張する。
しかし、控訴人は適正な組織運営を図るために常時全従業員の査定を行っているものであり、継続雇用者の査定も控訴人が継続して一定の者を雇用するためのものであるから、そのために相対評価の要素を持つ査定を使用することはやむを得ないところである上、控訴人においては、労使間協定で査定帳票を使用して選別を行う旨の継続雇用規程を導入することが合意されたのであるから、この査定帳票を使用して選別を行うことに違法はなく、結局、被控訴人の主張は採用することができない。
以上のとおり、控訴人が継続雇用対象者の査定に当って用いる業務習熟度表、社員実態調査表等の評価の項目、内容は不適切なものではなく、評価者においても恣意の混入しない評価がされていると認められるから、業務習熟度表、社員実態調査表に記載された査定内容は相当なものと認めることができる。
(津田電気計器事件 大阪高判 平23・3・25 労判1026) |
本件再雇用制度は被告の全従業員に対して適用されると解するのが相当であり、これに反する被告の主張は、原告ほかA組合の合理的意思並びに高年法9条及び本件再雇用制度の趣旨に明らかに反しており、失当である。
そして、被告がこのような失当な理由によって第一義的に原告の再雇用を拒否したことからすると、本件再雇用拒否は、それまで被告と対立路線を歩んできた原告に対して不利益を与えることを目的としてなされたものと強く推認される。
また、本件再雇用拒否がそのような目的でなされたことは、平成20年7月1日に原告と面談をした被告のB相談役が、原告に対し、「覚悟してやったんだろう」、「うまい話通るわけがない」などと原告には本件雇用制度が適用されない旨の発現をしたこと、本件再雇用制度が新設されてから本件再雇用拒否がなされるまで、被告に再雇用を拒否された従業員はいないことからも推認することができる。
(日本ニューホランド事件 札幌高判 平22・9・30 労判1013) |
当該地方公共団体において、上記嘱託員の職を維持すべき客観的な必要性があり、かつ、従来再任用を希望した嘱託員については特段の事情がないかぎりその者を再任用するという運用が行われていたという場合にあっては、当該地方公共団体においては上記嘱託員を再任用しないこととするについては合理的な理由がないにもかかわらず、任命権者が再任用を希望していた当該嘱託員につき差別的な取扱を行って再任用をしなかったときには、当該嘱託員の人格的利益を侵害するものとして国家賠償法上違法となる解するのが相当である。
(昭和町事件 東京高判 平18・5・25 労判919) |
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