小さな会社でのセクハラ

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小さな会社でのセクハラ

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小さな会社でのセクハラ

小規模、零細規模の小さな会社では、セクハラについての理解がまったくない会社があります。

このような職場内解決システムがない会社の場合、セクハラについての会社の責任を主張する必要があります。

@加害者の不法行為についての使用者責任

その上司のセクハラが業務に関連して行われた場合、会社は、上司の使用者として、上司と連帯してセクハラについての責任を負わねばなりません。

(使用者等の責任)
民法第715条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。


A労働契約からくる職場環境配慮義務

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする、とされており、セクハラを起してしまった会社は、これに違反したことになります。

職場環境配慮義務は、労働契約の当事者である会社として、社員が能力を十分に発揮できるような良好な職場環境を形成、維持、配慮すべき義務です。

(労働者の安全への配慮)
労働契約法第5条  使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。


(債務不履行による損害賠償)
民法第415条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

<判例>

飲みに誘い、スリーサイズを聞き、尻を触る、至近距離から乳首を揉むまねをする、胸をことさら見るなどの行為を、原告が入社して退社するまで(約4年間)続け、職場の机からコンドームを取り出して見せて、「やろうか」と言った行為は不法行為であり、業務の執行についてなされたものであるから、会社も責任を負う。

(社員食堂・学校給食等請負会社事件 さいたま地判 平1・8・31 判例地方自治329号)

会社は、従業員に対し、信義則上その人格的利益に配慮すべき義務がある。

セクハラに起因する従業員の人格的利益が侵害される蓋然性がある場合または侵害された場合には、その侵害の発生や拡大を防止するために必要な措置を迅速かつ適切に講じるべき作為義務がある。

会社代表者は、担当者に対し、本件セクハラについて十分な調査を尽くさないまま、適切な措置を執らなかった。

このような対応は上記作為義務に違反し、そのため被害者は、セクハラが生じた環境に放置され人格的利益を侵害されたと認められ、会社は、社長の行為による損害を賠償する責任がある。

(ビル管理請負会社事件 大阪地判 平21・10・16)

会社は、Aや支店長に機会を与えてその言い分を聴取するなどしてAと支店長とが特別な関係にあるかどうかを慎重に調査し、人間がぎくしゃくすることを防止するなどの職場環境を調整するべき義務があったのに、十分な調査を怠り、上司らの報告のみで判断して適切な措置をとらず・・・職場環境を調整する配慮を怠ったものであり、この点に不法行為があるというべきである。

(静岡地沼津支判 平11・2・26 労判760)

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