退職勧奨は合意解約の申入
退職勧奨というのは、使用者からなされる合意解約の申入れであり、労働者の自発的な意思による合意を促すための行為であり、その手段が社会通念を超える場合には退職強要になります。
執拗な退職勧奨が行われる場合には、必ず解雇通告文書を出してもらい、この文書の請求に応じない場合については、単なる解雇のほのめかしであり、自主的な退職を狙っていることになります。
退職勧奨の違法性は、次の点で判断されます。
@退職勧奨のための出頭
A勧奨の回数
B勧奨の続けられた期間
C勧奨の際の言動
D立会人の有無
E勧奨者の数 |
勧奨というのは、本人の自由な意思を尊重して行われるものであり、その限度を超えるものとなれば、勧奨ではなく強要や強制になってしまいます。
民法では、強迫による意思表示は取消すことができるとしています。
(詐欺又は強迫)
民法第96条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。
執拗な退職勧奨が行われ、やむなく合意した場合でも、それが自由な意思によるものではなく、強要や強制によるものである場合には、強迫であることを主張して取消すことができるのです。
また、長期的な退職強要などについての判断は、個別事情により異なりますから、勧奨の回数、期間や出された条件、そしてそれを被勧奨者がどのように受け止めて、どのように対応したかなどを検討して判断することになります。
退職勧奨を拒否したことを理由に、さまざまな不利益を与えて、みずからが退職するように仕向けるような場合、それぞれの不利益が合理的な理由のない人事権の濫用であったり、パワハラになることが多く、一つ一つの事実を取り上げて、退職強要のための嫌がらせであるとの主張も必要になります。
また、勧奨自体が公序良俗に違反する場合もあり、愚弟的には、性差別、思想差別にもとづく勧奨退職だったり、勧奨手段が暴力的、集団的であったり、社会通念上相当性を欠く手段で被勧奨者の自由意志を妨げるような場合には、損害賠償の対象にもなります。
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