仕事のミスで損害賠償できる場合
労働者が細心の注意を払って仕事をしていても、仕事にミスがつきものですから、会社は容易に全額を労働者に請求できず、合理的な負担割合でしか請求できないとされています。
この場合、労働者のミスが原因で損害が生じたとはいえ、労働者の過失としてどの程度のものか、使用者の管理体制はどうであったか、労働者の勤務態度はどうであったかなどが問題となります。
使用者が被用者の過失による損害を防止するために設備や環境を整えたり、労働者に対して適切な指導・教育を実施し、ミスが起きるような過酷な労働条件を課していたかなどが問われるのです。
しかし、従業員の職務上の不正行為によって損害を被った場合には、その損害を従業員に賠償させることができます。
ただ、損害賠償の具体的な責任が生じるのは、不正行為によって会社に損害が現実に発生した場合だけで、たとえ不正行為があったとしても、損害が発生しないとき、損害が発生しても会社がそれを証明できないときは、損害賠償の責任は生じません。
また、賠償すべき損害の範囲は、原則として不正行為があったときに通常発生する損害とあらかじめ予想できる損害に限定されます。
(損害賠償の範囲)
民法第416条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
会社は不正行為によって損害が現実に発生したこと、損害額が不正行為と相当因果関係にあること、の2つを証明しない限り、賠償は認められないのです。
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