労働災害の補償の規定
労働者が業務上の災害によって治療・療養を必要とする状態となったとき、使用者は災害補償をする義務があります。
会社は従業員について労災保険に加入していますので、治療・療養にかかる費用は労災保険から補償されることになります。
また、労災補償の給付には休業補償もあり、治療・療養のために労働ができず賃金を受け取ることができない場合には、治療・療養中は平均金賃金の6割が支払われます。
治療・療養が長期にわたる場合は、解雇が問題となりますが、就業規則や労働協約で定めがある場合はその定めにより、定めがない場合は、療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならないことになっています。
仕事が原因の過労死の認定基準は、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」という厚生労働省の通達があり、脳血管疾患および虚血性心疾患等は、過労等の長い生活の中で形成され発症に至るとされています。
業務上の認定要件は、発症直前から前日までの間において、発症状況を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事に遭遇したこと、発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労したこと、発症前の長期にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に加重な業務に就労したこと、とされます。
業務上の過労死と認定されると、遺族に遺族補償がなされます。
また、仕事上のストレスが原因で神経症になったり、他の病気の原因となり休職や退職に負い込まれる場合もあります。
労働基準法施行規則は業務上疾病の病名を記載してますが、ストレスが原因となった疾病の具体的な記載はありません。
この施行規則に「その他業務に起因することの明らかな疾病」というのがあり、ストレス関連の障害はこれに該当するという通達が出されています。
ただし、労災の認定に当っては、業務上及び業務外の心理的負荷の評価が行われます。
<判例>
自殺に関する安全配慮義務の事件
「会社が労働時間を軽減させる具体的措置をとらなかったことは安全配慮義務の不履行である」として、自殺による死亡逸失利益の請求を認めたうえで、被災労働者の性格による過失相殺を認めた控訴審の判決を破棄差し戻しました。 |
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