労災保険が適用される通勤災害
通勤災害となるためには、次の要件に該当していなければなりません。
@その災害が通勤によるものであること。
Aその通勤の往復を逸脱し、または往復をしていないこと。
ただし、日常生活の最小限度のものであるときは、その逸脱・中断中を除き、もとの合理的経路に戻ってからの往復行為であること。 |
(*1)通勤によるとは、通勤を災害との間に相当因果関係にあること、つまり、通常ともなう危険が具体化したことをいいます。
(*2)逸脱とは、通勤の途中で就業や通勤と関係のない目的で、合理的な経路をそれることをいいます。
(*3)中断とは、通勤の経路上で通勤と関係ない行為を行うことをいいます。
通勤とは、労働者が就業に関し住居と就業場所との往復、または一定の就業場所から他の就業場所、その他厚生労働省令で定める移動を合理的な経路および方法により往復すること(電車や車などで毎日通っている路線や道路をいう)を指し、業務の性質を有するものを除くものをいう。 |
<通勤災害と認められる場合>
@駅の階段から転落した場合
通勤途中において、自動車にひかれた場合、電車が急停車したため転倒して怪我をした場合、駅の階段から転落した場合、歩行中にビルの建設現場から落下してきた物体により負傷した場合、転倒したタンクローリーから流れ出す有害物質により急性中毒にかかった場合など、一般に通勤中に発生した災害は通勤によるものと認められます。
Aひったくりにあって負傷した場合
大都市周辺のさびしいところに居住している女性労働者が夜間退勤する場合には、その途上でひったくりに会い、その際に負傷することは一般的にあり得ることであり、通勤に通常ともなう危険が具体化したものと認められます。 |
<その行為が逸脱・中断になり、通勤災害と認められない場合>
@帰り道、仲間と居酒屋で飲食した場合
飲み屋やビアホールなどに腰を落ち着けるに至った場合や、経路からはずれまたは門戸を構えた観想家のところで長時間にわたり手相や人相などを診てもらう場合などは、逸脱・中断に該当します。
A帰宅途中、コーヒーショップで40分話し込んだ場合
帰宅途中、経路上の喫茶店に立ち寄り40分程度過ごした行為は「逸脱」または「中断」に該当しますが、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由に行うための最小限度のもの」には該当しません。 |
<日常生活上必要な行為>
@日用品の購入、その他、これに準ずる行為
A公共職業能力開発施設において行われる職業訓練を受ける行為
B学校教育法第1条に規定する学校において行われる教育、その他、これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものをうける行為
C選挙権の行使その他これに準ずる行為
D病院または診療所において診察または治療を受けること、その他、これに準ずる行為 |
また、複数就業者について、就業の場所から他の就業の場所への移動と単身赴任者の赴任先住居・帰省先住居間の移動が通勤災害保護制度の対象となりました。
<元の経路に復したあとは通勤災害が認められる例>
@帰り道スーパーマーケットに立ち寄り、惣菜などを購入する場合
A独身労働者が食道に立ち寄る場合
Bクリーニング店に立ち寄る場合
C通勤途中で病院・診療所で治療を受ける場合
D選挙のため投票に立ち寄る場合
E夜間大学に通う場合
F出退勤の途中で理髪店に立ち寄る場合 |
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