前借金相殺の禁止
会社は、前借金その他労働することを条件とする前貸しの債権と賃金を相殺してはならないとされています。
これは、労働者が会社から前借した賃金を、その後に支払われる賃金から相殺して返済してもらうことを禁止しているものであって、賃金の前借りそのものを禁じたものではありません。
例えば、労働者を雇入れる際に会社が支度金等の名目で労働者や親権者にお金を貸し付け、これにより労働者の転職の自由を拘束し、またその借金を給料から差し引き無報酬で働かざるを得ないという状況がありえるからです。
金銭の貸借に基づく身分的拘束の発生を防止しようとするために、前借した賃金をその後の賃金で相殺することを禁止しているのです。
この相殺禁止は、会社側の意思で行う相殺のみを禁止しているのであって、労働者自身が賃金と相殺することを希望している場合は認められます。
会社からの賃金の支払と労働者からの借金の返済は、原則的には別々に行われなければならないのです。
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