調停不成立で労働審判
労働審判の手続で、調停が不成立になった場合、審判委員会は労働審判を出します。
その審判内容は、法律上の権利義務関係に必ずしもとらわれない内容で、審判委員会が現実的な紛争解決に役立つものとされます。
審判に不服がある当事者は、審判の告知を受けた日から2週間以内に、裁判所に対して異議を申し立てることができます。
異議申立がなければ、労働審判の効力は確定し、裁判上の和解と同じ効力をもちます。
労働審判書に記載された支払条項等を当事者が守らない場合には、この労働審判書をもって強制執行ができます。
異議申立がなされたら、労働審判から通常訴訟に自動的に移行し、当事者は通常訴訟で争うことになります。
未払賃金の請求権は、賃金発生から2年以内に権利行使しなければ消滅するという消滅時効がありますが、労働審判の申立のときに訴訟提起がなされていたものとみなされますので、異議申立の結果通常訴訟に移行した時点で賃金発生から2年が経過していても、その前に労働審判の申立を行っていれば、消滅時効を中断させることができます。
労働審判に対して異議がなされて、通常訴訟に移行した後、振り出しに戻るわけではなく、この労働事件を担当する裁判官は労働審判の内容を受けとめて訴訟を進めていくと考えられます。
労働審判によっては、当事者双方の主張する事実経過が複雑かつ膨大なものとなり、3回程度の期日では十分な主張反論、証拠調べができないものもあります。
その場合、労働委員会は、審判に至らないうちに労働審判事件を終了させることができます。
この場合、審判に対する異議申立があった場合と同様、労働審判の申立時に訴訟提起があったものとみなされ、通常訴訟に自動的に移行します。
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