労働審判は相手方は事業主
労働審判は、一労働者と事業主との間の個別的な労使関係の紛争を対象にして、地方裁判所で裁判官と一般人関与の下で紛争解決を図る制度です。
労働審判で扱われる紛争は、労働者から事業主に対してなされる民事上の請求です。
ですので、例えば、職場の上司からセクハラやパワハラを受けたことを理由に、その上司個人に対して慰謝料を請求するようなものは扱われません。
しかし、その上司の監督責任(民事上の使用責任)を会社に問いただして損害賠償するのであれば、労働審判で扱うことができます。
労働審判法1条では、「使用者」ではなく、「事業主」となっており、労働者にとっての使用者(雇用主)以外の、直接労働者を使用している事業主、例えば、派遣労働の派遣先なども、労働審判上の「事業主」にあたり、労働審判の相手方にすることができます。
また、解雇や期限の定まった雇用契約において契約更新をしない雇止めにあった場合に、その解雇処分などの無効・現在の労働者としての地位の確認を請求すること、賃金が支払われていない場合に賃金を請求すること、配転、出向や懲戒処分などの効力を争うことなどが、労働審判で争えることになります。
労働審判で事業主の刑事責任を追及することはできません。
(目的)
労働審判法第1条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。
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