指導、教育、叱責の言葉のパワハラ

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指導、教育、叱責の言葉のパワハラ

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指導、教育、叱責の言葉のパワハラ

職場でパワーハラスメントといわれる場合の多くは、指導や教育さらには叱責という場面での言葉をめぐるやり取りについてです。

日常の上司の立場から発せられる教育や指導の言葉、業務命令などをめぐる言葉が受け入れられないと思われるような場合に、言葉のパワハラが問題になります。

裁判でもこうした言葉をめぐっての争いが取り上げられ、業務指導をの範囲を超える叱責や人権・人格を否定するものは不法行為にあたると判断されています。

<判例>

太郎は一郎に対して「主任失格」、「おまえなんか、いてもいなくても同じだ。」などの文言を用いて感情的に叱責し、かつ、結婚指輪を身につけることが仕事に対する集中力低下の原因になるという独自の見解に基づいて、一郎に対しても、8,9月ごろと死亡の前週の複数回にわたって、結婚指輪を外すよう命じていたと認められる。

これらは、何の合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇をこえた、いわゆるパワー・ハラスメントとも評価されるものであり、一般的に相当程度心理的負荷の強い出来事と評価すべきである。

(中部電力事件 名古屋高判 平19・10・31 労判954)

酔余の激励とはいえ、「妻が内緒で電話をしてきた」などと通常、公表されることをのぞまないようなプライベートな事情を社長以下、役員や多数のサービスセンター長の面前で暴露するものであるうえ、「出来が悪い」「何をやらしてもアカン」などと言われた本人であれば、通常「無能呼ばわり」されたと受け取ることもやむを得ないような不適切発言をしたものというべきである。

(日本ヘルス工業事件 大阪地判 平19・11・12 労判958)

「マネージャーが務まると思っているのか」「マネージャーを降りてもかまわない」等の言葉を使って叱責を与えることがあったものであり、この点においても、違法と言わねばならない。

確かに、前記認定のとおり、当時の原告班の成績は、他の班に比べて芳しくなく、この点について、原告を叱責してその奮闘を促す必要性があったことは否定できないが、長年マネージャーを務めてきた原告に対し、いかにもマネージャー失格であるかのような上記の言葉を使って叱責することは、マネージャーとしての原告の誇りを傷つけるもので、違法といわねばならない。

(富国生命保険ほか事件 鳥取地米子支判 平21・10・21 労判996)

例えば、人に向かって暴言をあびせ罵倒しまたは威嚇するという行為が、暴言、罵倒、威嚇の内容や態様という観点からみて、名誉感情を害し、その人に屈辱感、焦燥感、恐怖心などを生じさせてその人が精神的苦痛を被ることが予想されるほどのものであると認められ、かつ、それらの行為が相当多数回にわたり反復継続して繰り返されている場合には、それによってその人がいわば恒常的に精神的苦痛を受け続けて精神的に疲弊するに至り、身体や精神に何らかの障害が発症する。

(西谷商店事件 東京地判 平11・11・12 労判781)

パワハラとはパワーハラスメントの略称であり、人格権の侵害であるが、部長の太郎に対する態度はこれに当る。

部長による叱責は、日記で確認しただけでも、四月に9回ある。

しかも、このうち2月7日、3月1日及び同月15日は、2時間、2時間半とはっきり記載されている。

47歳の大の男を座らせないで立たせたまま2時間も2時間半も叱責している状況は、極めて暴力的で名誉毀損的なものである。

(千代田梱包工業事件 東京高判 平20・11・12 経2022)

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