暴力を伴うパワハラの判例

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暴力を伴うパワハラの判例

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暴力を伴うパワハラの判例

職場におけるいじめ行為そのものが、物理的であろうと言葉によるものであろうと、暴力であることに変わりはありませんが、なかでも物理的な暴力行為の伴ういじめが拡がっていることが問題になっています。

雇用関係が多様化している現代の職場では、人間関係も難しくなってきており、暴力事件が起きています。

職場の暴力事件が労働災害にあたるかどうかは、そのトラブルの原因が業務にどの程度関係があるのかどうかによって決まり、業務と災害との間に何らかの必然性がある場合で、業務によって引き起こされたものであるかどうかの判断によって決まります。

<暴力をともなうパワハラの判例>

日頃からきびしくあたられていた被告から暴行を受けたこと、その後の休職に関する被告会社担当者とのもつれを通じ、担当者ひいては被告会社自体に対して、次第に忌避感、不安感を感じるようになり、Aによる「ぶち殺そうかお前」などという発言を受けたこと、本訴訟の提起により被告会社との対立関係が鮮明化し、また、調査会社による行動調査を受けたことなどが相まって、被告会社が原告に危害を加えようとしているという類の被害妄想を焦点とする妄想性障害に罹患し、今日までその症状を維持増減させてきたものと認めるのが相当である。

(ファーストリテイリング事件 名古屋高判 平20・1・29 労判926)

事業協同組合の事務局長であった被告が、部下との業務の打ち合わせを行っている時に、部下の肩を突いたり、走りこんで蹴りかかったりして、相手に右大腿部及び右肩打撲(7日の加療を要する診断)の暴力行為に及んだ。

被告は、職務熱心で事務処理能力も高いとの評価はあったが、時折、他の職員を怒鳴りつけて罵倒するなど和を乱す言動が問題になっていた。

被告は、原告に対し、退職届の提出を求め、期限までに退職届が提出されなかった場合には懲戒解雇にすると通知し、原告が期限までに退職届を提出しなかったことから、懲戒解雇にすることを決定し、その旨を原告に通知したことが認められる。

(豊中市不動産事業協同組合事件 大阪地判 平9・8・30 労判957)

他人の暴行による災害については、一般的には他人の故意によるものであるから業務起因性は否定されるものの、業務遂行性が肯定され、かつ、加害行為が明らかに業務と関連し、加害者の私怨ないしは加害者との私的関係に起因したものでなく、被災労働者が加害行為を誘発したものではない場合には業務起因性を肯定するのが相当。

(真佐明興業事件 大阪地判 平12・5・29 労判802)

Aの自殺の原因は、同人の経済的な窮迫という事情に加えて、被告Bから暴行恐喝を受けたこと、これが今後も続くと予想されたことにあったと認めるのが相当である。

したがって、被告Bの不法行為及びC第二分隊長、D先任海曹、E班長が被告Bの指導監督義務を怠り、被告Bの暴行や規律違反行為を止めることができなかったこととAの自殺との間には事実的因果関係を認めることができる。

(護衛艦たちかぜ事件 横浜地判 平23・1・26 労判1023)

上司であるBからはこんなこともわからないのかと言われ、物を投げつけられたり、机を蹴飛ばされたりしており、今日中に仕事を片付けておけと命じられて、遅くまで残業をせざるを得ない状況であった。

一方、仕事を命じたBは、Aを残して先に帰ってしまうことがあった。

ほかにも、Aは、他の作業員らの終わっていない仕事をおしつけられて、仕事のやり方がわからないまま、ひとりで残業したり、徹夜で仕事をしたりしていた。

本件作業所の責任者であるC所長はこれに対し、何らの対応もとらなかったどころか問題意識さえもっていなかったことが認められる。

その結果、被告としても、何らAに対する上司の嫌がらせを解消するべき措置をとっていない。

このような被告の対応は、雇用契約の相手方であるBとの関係で、被告の社員が要請社員に対して被告の下請会社に対する優越的立場を利用して養成社員に対する職場内の人権侵害が生じないように配慮する義務(パワーハラスメント防止義務)としての安全配慮義務に違反しているというほかない。

(日本土建事件 津地判 平21・2・19 労判982)

小中学生ではあるまいし、会社がAが主張するような一般的な従業員間の暴力抑止義務のようなものを負っているとは認め難い。

もちろん、本件暴行以前から、BとAが顔を合わせれば暴力沙汰になっていたが、または、そうなりそうであったという状況が存在していたのであれば、会社にとって本件の暴行の発生は予見可能であり、したがって、両者の接触をさけるような人員配置を行う等の結果回避義務があったというべきである。

しかしながら、本件暴行以前にこのような状況が存在していたと認めるに足りる証拠はないから、そもそも本件暴行の発生は会社にとって予見可能性の範囲外であり、したがって、会社はかかる結果回避義務を負わないものと解するのが相当である。

(佃運輸事件 神戸地姫路支判 平23・3・11 労判1024)

従業員が顧客から、暴行、障害、強迫等の危害を加えられることが予見される場合、使用者は、それを防止するために必要な措置を執るべき義務(安全配慮義務)を負うと解するのが相当である。

障害事件発生後は、その後の危害防止のために必要な措置を執るべき義務が生じていたと認めるが相当である。

(バイオテック事件 東京地判 平11・4・2 労判772)

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