派遣元と派遣先の労働の法律
労働基準法、労働安全衛生法などの労働関係の法律は、通常、雇用関係のある使用者に適用されます。
人材派遣において派遣スタッフと雇用関係にある者は派遣元ですが、派遣先にもこれらの法律の規制がなければ、派遣スタッフを保護することができません。
そこで、人材派遣においては、原則として派遣元が雇用主としての責任を負いますが、それぞれの法律のうち、派遣先における具体的な就業にともなう事項であって、派遣元に責任を問うことの困難な事項、派遣先に責任を負わせることが過当な事項については、派遣先が責任を負うものとされています。
労働基準法の適用について、例えば、労働時間、休憩、休日などの労働者の具体的就業に関連する事項については、派遣先の事業主が責任を負います。
ただし、その基本となる「労働時間、休日の枠組みの設定」、つまり、所定労働時間を決めたり、所定労働時間外の労働に関する協定を結んだりといったことは、派遣元の事業主が行うこととされています。
なお、変形労働時間制については、派遣元が法ハ止の手続きを取ることにより適用できますが、裁量労働制(労働基準法第38条の3、第38条の4)については、派遣スタッフには適用できません。
また、安全衛生法で義務付けられている事項については、作業環境の重要な要素である設備などの設置・管理、業務遂行上の具体的指揮命令に関係することから、原則として派遣先の事業主が義務を負いますが、一般健康診断などの雇用期間中に継続的に行うべき事項については、派遣元の事業主が義務を負います。
なお、派遣先が実施義務を負う特殊健康診断について、派遣先の事業主が、派遣中の労働者について実施した場合には、その健康診断結果を派遣元の事業主に送付することとされています。
さらに、労働者が労働災害により死亡または4日以上の休業をしたとき、事業主は「労働者死傷病報告書」を労働基準監督署に提出しなければなりませんが、派遣スタッフが被災した場合、派遣先、派遣元の双方に提出義務が課されています。
派遣元は、労働者派遣法、労働基準法などの適用に関する特例などについて、これら法令の関係する派遣先、派遣スタッフなどへ、周知徹底を図ることとされています(派遣元指針第2の10)。
転職サイトを使いこなす!
スポンサードリンク
|
|