派遣期間のルール
派遣法では、派遣期間があまり長期になることは好ましくないとしています。
派遣期間を無制限にすれば、短期契約を繰り返す人材派遣の方が、正社員を雇うより企業にとっては雇用調整が容易なため、人材派遣より安定的な雇用形態である正社員の業務がどんどん派遣に置き換えられてしまう可能性があるからです。
このため、派遣先は、一般労働者の業務に置き換えられる可能性の少ないとされる業務を除き(つまり自由化業務について)、派遣先の 「事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務」について、派遣元から 「派遣可能期間」を超えて継続して人材派遣の提供を受けてはならないことになっています(派遣法第40条の2)。
このような 「派遣受入期間の制限」が大原則となっているのです。
この制限は、基本的に派遣先に課されたものです。
つまり、派遣受入期間の制限は、派遣スタッフを入れ替えたり、派遣元を換えたとしても継続していると判断されるため、初めて派遣する派遣元には、この制限に抵触するかどうかを派遣先に確認しなければ分からないからです。
もちろん、派遣元もこの制限を超えて派遣することは禁止されています(派遣法第35条の2第1項)。
なお「自由化業務」のうち「物の製造の業務」については、平成16年3月の法改正で解禁されました。
平成19年2月まで「物の製造の業務のうち「特定製造業務(育児、介護休業の代替業務以外の業務)」は派遣受入期間が1年に制限されていましたが、現在は3年までの派遣が可能となっています。
派遣受入期間の制限を除外された業務についても事実上、派遣受入期間に上限があるものもあります。
まず、@専門的26業務とB就業日数の少ない業務については、派遣受入期間の制限はありません、Aプロジェクト業務については、一定の期間内に完了する見込まれるものであって、この 「一定の期間」については行政の解釈では3年以内とされています(業務取扱要領)。
C育児の代替業務とD介護の代替業務については、従事していた労働者が育児休業または介護休業から復帰するまでとなっています(派遣則第33条、第33条の2)。
人材派遣を受けていると判断される期間は、派遣の開始日から最終日までです(派遣先指針第2の14)。
@専門的26業務
派遣業務が原則自由化される前から、派遣の対象となっていた「職業生活全期間にわたる能力の有効発揮と雇用安定に資する業務(派遣法第40条の2第1項1号)」として、厚生労働省令(派遣令第5条)で定められています。
Aプロジェクト業務
事業の開始、転換、拡大、縮小または廃止のための業務であって、一定の期間内に完了することが予定されている業務(派遣法第40条の2第1項2号イ)です。
B就業日数が少ない業務
派遣スタッフが従事する業務の1か月間に行われる日数が、派遣先に雇用される他の一般労働者の1か月の所定労働日数に比べて相当少なく(半分以下)、かつ10日以下である業務(派遣法第40条の2第1項2号ロ)です。
C育児の代替業務
育児・介護休業法に定める育児休業と、育児休業の前後に、母性保護または子の養育を目的として休業をする労働者の業務(派遣法第40条の2第1項3号)です。
D介護の代替業務
育児・介護休業法に定める介護休業と、介護休業の後に引き続き家族の介護を目的として休業する労働者の業務(派遣法第40条の2第1項4号)です。
E自由化業務
平成11年の派遣法改正で新たに自由化された、臨時的・一時的派遣であって、建設業など派遣を禁止されている業務以
外の業務(派遣法第40条の2第1項本文)です。
派遣期間の制限に反しないよう1度、限度いっぱい派遣を受けた派遣先が、新たな人材派遣を受ける場合には、しばらく派遣を受けない期間を設けなければなりません。
これを「クーリング期間」 といって、直前の人材派遣と次の派遣までの間が3か月を超えていれば、継続しているとみなされません(業務取扱要領)。
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