派遣と請負の違い
請負とは、建設業や製造業などで広く行われていて、「請負人がある仕事を完成することを約束し、注文者がその仕事を完成したら報酬を支払うことを約束する契約」です(民法第632条)。
例えば、ある人がリフォーム業者へキッチンの改造工事を依頼します。
請負人であるリフォーム業者はその工事の完了を約束し、注文者は工事が完了すれば100万円の支払いを約束するといったものです。
請負により事業を行う場合、人材派遣のように、禁止されている業務はありません。
原則自由に行うことができます(ただし、一定規模以上の工事を行うには建設業許可が必要となるなど、例外があります)。
請負の場合、自らの雇用する社員を工事現場など依頼者のところへ出向かせ、依頼された業務に従事させることが人材派遣と似ています。
人材派遣と請負の違いは、人材派遣が、派遣先で具体的な指揮命令を受けるのに対し、請負は、請け負った事業者が自ら指揮命令して、その業務の完了に責任を負うことにあります。
なお、一般にいう「業務委託」とは、民法第656条の「準委任」だといわれていますが、行政は人材派遣との比較において業務委託を請負に含めてとらえています。
ただし請負として契約書を交わしていても、実態として請負の要件を満たさなければ、また、要件を満たしていても故意に偽装していると認められれば、人材派遣を行っていると判断され、派遣法が適用されます。
ところで、新たに人材派遣を開始する事業者が、初めは請負で業務を受託し、一応の事業基盤を築いてから、人材派遣の申請を行って派遣事業に参入するというケースがよく見られます。
この際、人材派遣と請負の違いを正しく理解し、違法な事業とならないようにします。
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