社員が知らない就業規則作成
<事例>
社長夫婦で始めた製造会社で、現在では、常時8人の社員を雇っています。
しかし、新たに3人の社員を採用し、就業規則の作成義務が生じたので、夫婦で作成し、所轄の労働基準監督署へ提出しました。
しかし、社員の太郎さんはその存在すら知りませんでしたから、就業規則作成にあたって社員の意見を聴いていないという理由で、この規則は無効であると主張しました。 |
社長夫婦のやり方は望ましいものではありませんが、就業規則は有効だと考えられます。
常時10人以上の労働者を使用する事業場では、必ず就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
また、これを作成したあと、必ず労働者代表の意見を聴いて、届出の際にはこの意見書を添付する必要があります。
「労働者代表」とは、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその組合、ない場合には労働者の過半数を代表する者をいいます。
労働者代表の要件は次になります。
@労基法第41条2号に定める管理または監督の地位にある者でないこと。
具体的には、管理職手当のつかない係長などが考えられます。
A労使協定の締結などを行う者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手などの方法による手続により選出された者であること。 |
就業規則の作成、変更にあたっては、あくまでこの労働者代表の意見を聴くだけでよく、同意を求める必要はなく、規則の全部または一部に反対意見があっても、効力に影響はありません。
また、意見聴取を怠っても、手続違反を問われることにはなるものの、規則の効力そのものには影響しないのです。
労働者代表が規則の内容に反対する場合、意見聴取に協力せず事業主が意見書を作成できないこともあり、こうした場合には、その事実を客観的に証明すれば、意見書を提出しなくてもよいのです。
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