給料を来月に持ち越し
<事例>
山田食品では、給料支払日に経理担当者が給料全額を持ち逃げしてしまいました。
山田食品は、給料を現金払いにしていますが、社長は会社に残ったお金をかき集め、本来の給料の5分の1にもならない額を支給して、残額は来月に支払うと通告しました。
しかし、太郎さんはぎりぎりの生活をしているため、来月まで待てない旨を訴えました。
社長は、とにかく1ヶ月だけ待ってくれるよう説得しているのですが・・・ |
この場合、会社側は支払を待ってもらうためには、社員1人づつの同意を得る必要があり、同意しない社員がいれば、原則どおり支払わなければならず、すなわち、社長は太郎さんに全額を支払わなければならないのです。
労働契約のおいて、賃金の支払は最も重要で、これが適正に行なわれないと社員の生活がおびやかされます。
労働基準法では、賃金の支払い方法について、次のように原則を定めています。
@お金で払う(通貨払いの原則)
組合が認めているなど、労働協約に別段の取り決めがある場合には、お金以外のものでもよいとされます。
A本人に支払う(直接払いの原則)
本人が直接受け取ることができない場合には、本人が立てる使者に支払うことができます。
B全額を払う(全額払いの原則)
所得税や社会保険料のように法令で定めるものや、社内貯金や労働組合費のように労使協定で取り決めたものを控除することはできます。
また、支払の便宜上、わずかな額を次回に支払うことも認められます。
C毎月払う(毎月1回以上払いの原則)
D決まった日に払う(一定期日払いの原則)
例えば、支払日が休日に当たる場合は、次回の営業日とすることはできます。
支払日が毎回変動することは認めらないのです。 |
給料が持ち逃げされたという厳しい事情があるますが、賃金の支払は、労働契約上最優先されなければならず、会社側が一方的にこの原則を曲げることはできません。
毎月1回以上一定期日全額払いの原則に違反しますから、給料の延期を社員に申し渡して、それで終わりではすまないのです。
あくまで個別に社員の同意を得ること、どうしても払ってほしいという社員がいれば、払わなければならないのです。
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