うつ病で休職を繰り返し解雇
<事例>
病院に勤務する事務員の太郎さんは、半年にわたる休職の後、うつ病が回復したとして職場に復帰したが、1ヶ月勤務した後、再発して新たに4ヶ月休職しました。
そして、再び回復したとして、先月末復帰したばかりなのに、半月も勤務しないうちに再発して、今回、医師の診断書を提出して、都合3度目の休職をしたいとの申出がありました。
病院では、最長1年間の休職が認められていますが、この休職期間中でも、賃金の6割の支給が保障されています。
ただし、1年間の休職期間を経過した時点において、未だ休職の原因となった傷病が回復しておらず、従前の業務に就くことができない場合には、会社は当該従業員を解雇することがある旨の定めがあります。
太郎さんの休職が通算して1年になった、今回の休職が2ヶ月に及んだところで、病院は太郎さんを解雇しました。 |
労働災害以外の私傷病による休職から復帰する際、本人の申告のみで会社が復帰の許可を与えると、実際にはまだ治っておらず、再度休職せざるを得ない場合があります。
これを許していると、労働者は短期間の休職を繰り返し、会社は労働力を提供されていないにもかかわらず、一定の賃金を払い続けていなければならないというような理不尽な事態が生じます。
特に精神疾患の場合、回復の判断が難しく、再発することが少なくありません。
本件の場合、1回の休職期間が最長1年認められているわけですから、通算して1年では解雇できず、3回目の休職が1年にならないと解雇はできないと考えられます。
太郎さんを解雇できるようにするためには、就業規則に次の文言をいれておきます。
「私傷病を理由として休職していた者が復職しようとするときは、医師の診断書を会社に提出し、人事部長の許可を得た後でなければこれをすることはできない。」
また、復職後の再休職の規定を定めておく必要があり、そうしないと、休職期間が通算されないことになります。
「復職したものが復職後3ヶ月以内に同一事由により休職した場合、前回の休職と通算する。したがってその残存期間をもって限度とする。」
さらに、次の規定を定めておけば、休職期間の満了の効果として、当然に退職したことになりますので、解雇の手続が要らなくなります。
「休職期間満了後においても、休職事由となった私傷病が回復しておらず、従前の職務に復帰することができない場合は、自然退職とする。」
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