会社のプライバシー侵害の判例
<判例>
X1〜X4は、電力会社であるYの従業員であり、共産党員あるいは同調者であった。
Yは、従来から共産党に対して警戒心を持って労務政策を行ってきた。
Yの神戸支店では、Xらに対する監視・孤立化政策を行うため、所属する営業所の主任に監視・調査を実行させ、進捗状況を発表させるなどした。
Xらに対する調査は、趣味活動から家族状況におよび、その手法についても警察情報の入手や自宅への侵入を行うなど、徹底したものであった。
X2やX3に対する調査では、退職後に同人らを尾行したり、X3については無断でロッカーを開けて私物を写真に撮影したりした(両者を「本件行為」という)。
後にYの一連の行為を知ったXらは、不法行為による損害賠償請求等を求めて、本件訴訟を提起した。
Yの、一連の「行為は、Xらの職場における自由な人間関係を形成する自由を不当に侵害するとともに、その名誉を毀損するものであり、また、・・・本件行為はそのプライバシーを侵害するものでもあって、同人らの人格的利益を侵害するものというべく、これら一連の行為がYの会社としての方針に基づいて行われたというのであるから、それらは、それぞれYのXらに対する不法行為を構成するものといわざるを得ない。
よって、原審が認めたとおり、本件不法行為の態様、期間、原告らの被った精神的打撃の程度、その他諸般の事情を参酌し、YはX各自に対し各80万円をもって慰藉するのが相当である。
(関西電力事件 最三小判平成7・9・5 労判680)
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