職業紹介のあっせんの判例
<判例>
Xは、企業の依頼に応じてその求める人材を探索し、勧奨して、求人生涯事業を行うための旧職安法32条1項但書に基づく労働大臣の許可を得ていた。
Yは、内科及び婦人科の診療所を経営する者である。
Xは、Yに対し診療所の院長として勤務することのできる医師を探索し、紹介する旨を約し、A医師を紹介した。
その結果、Yは、Aを院長として年棒1000万円で雇用する旨の契約を締結した。
Yは、Xに対し、Aの就職に至るまでのXの業務(以下「本件業務」という)の対価として、調査活動費の名目で50万円、報酬の名目で150万円の合計200万円を支払うことを約した。
ところが、Yは、本件業務は、旧職安法5条1項・32条1項但書の規定する職業紹介に当るから、その報酬額は、同上6項、同法施行規則24条14項、別表第3により、Aの6ヵ月分の賃金の10、1%相当額である50万5000円が最高額であり、これを超える金額については支払義務がないと主張して、上記最高額を越える部分の支払を拒んだ。
そこで、Xは、報酬額と遅延損害金の支払を求めて訴えを提起した。
第一審判決、第二審判決とも、Xの請求を棄却した。
「職業安定法にいう職業紹介におけるあっせんとは、求人者と求職者との間における雇用関係成立のための便宜を図り、その成立を容易にさせる行為一般を指称するものと解すべきであり(最高裁昭和・・・30年10月4日第三小法廷決定・刑集9巻11号2150項)、右のあっせんには、求人者と求職者との間に雇用関係を成立させるために両者を引き合わせる行為のみならず、求人者に紹介するために求職者を探索し、求人者に就職するよう求職者に勧奨するいわゆるスカウト行為・・・も含まれるものと解するのが相当である」。
したがって、「Aに対するスカウト行為を含む本件義務が一体として同法にいう職業紹介におけるあっせんに当るものとして原審の判断は、正当として是認することができる」。
(東京エグゼクティブ・サーチ事件 最二小判平成6・4・22民集48巻3号)
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