労働契約法と労働組合法の労働者
労働契約法は、使用性と賃金性によって労働者性を判断する枠組みは、労働基準法上の労働者と基本的に同じです。
(定義)
労働契約法第二条 この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。
2 この法律において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。
例えば、民法の請負や委任または非典型契約で労務を提供する者であっても、契約形式にとらわれず実態として使用従属関係が認められる場合には、「労働者」に該当する場合もあり、請負の性格を有する場合でも、その労働の従属性を有する限りにおいて、労働者として扱われます。
また、労働基準法と異なり、労働契約法は、事業または事務所に使用されていない者や家事使用人にも適用されます。
労働組合法上の労働者は、団結活動の保護や団体交渉の促進助成という目的に即した労働者の範囲を定めており、労働基準法・労働契約法の労働者とは必ずしも一致しません。
(目的)
労働組合法第一条 この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
2 刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十五条 の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。
例えば、労働組合法上の労働者は、賃金等によって生活する者であればよく、現に使用されている必要は無いために、失業者もこれに含まれます。
判例として、新国立劇場運営財団事件(東京地判平成20・7・31 労判967)があり、同判決では、指揮命令・支配監督関係の観点から、財団との間で出演に関する基本契約を数回にわたり締結し、合唱団のメンバーとしてオペラ公演に出演していた団員の労働者性を否定しています。
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